About この曲について
「Bloody Mary」は、Lady Gagaの2枚目のスタジオアルバム『Born This Way』(2011年)に収録された楽曲。当初はアルバム曲として発表されたが、2022年12月、Netflix『Wednesday(ウェンズデー)』でのダンスシーンとTikTokでのバズを受けて、アルバムから11年を経て6枚目のシングルとして正式リリースされた。
この曲は、ダークで呪術的な雰囲気を持つ。エレクトロポップにシンセポップとトランスの要素が混ざり合い、グレゴリオ聖歌のサンプリングが加わることで、宗教的なモチーフとゴシックなビートが絡み合う。ガガの冷たくも力強いボーカルが際立つ。
ガガはこの曲でマグダラのマリア(Mary Magdalene)の視点から歌っている。「Bloody Mary」というタイトルはメアリー1世を指すが、歌詞ではマグダラのマリアとイエス・キリストの関係をアナロジーとして使っている。
2022年のTikTokバズ以降、再び注目を浴び、ライブのオープニングセットリストにも組み込まれるようになった。元々は知る人ぞ知るアルバム曲だったが、今では「Bloody Mary × Wednesday」の組み合わせで新たな命を吹き込まれた楽曲として語られることが多い。
Lyrics 歌詞のポイント
この曲を聴くときに知っておくと深まるポイントがいくつかある。
まず、「Bloody Mary」という名前について。タイトルは「血まみれのメアリー」を意味し、一般的にはイングランド女王メアリー1世を指すが、ガガはマグダラのマリア(Mary Magdalene)の視点から歌っている。マグダラのマリアは聖書に登場する人物で、イエスの最も重要な弟子の一人とされている。
ガガは「マグダラのマリアは完全に神聖であり、完全に人間でもある」と説明している。イエスが預言を果たして死ぬとき、彼女は強くなければならないが、同時に彼を手放すことに動揺する人間的な瞬間も持っている。
サビで繰り返される核心的なフレーズがこれだ。
I won't cry for you
「あなたのために泣かない」という宣言。これは、愛する人を失っても、その人が世界に広めた愛に焦点を当て、自分自身の方法で愛を広め続けるという決意を表している。
そして、この曲の核心にある"gone"という言葉。
When you are gone
"gone"は単に「去る」「いなくなる」という意味だけではなく、「死ぬ」という意味も含まれている。「あなたがいなくなったとき」「あなたが死んだとき」——この二重の意味が、この曲に深い陰影を与えている。
それでも涙を流さない、それでも踊り続ける——そんな強さと孤独が交錯する。ガガ自身が「Bloody Maryは現実と幻想の間に生きることについての曲」とFacebookで説明している。
Favorite Lines 口ずさみたいフレーズ
「Bloody Mary」で覚えておくと、この曲が何倍も楽しくなるフレーズを紹介する。
まず、この曲の最も印象的な部分がこのフレーズ。
I'll dance dance dance With my hands hands hands Above my head head head
歌詞がシンプルで覚えやすい。"dance" "hands" "head" と韻を踏みながら、身体全体で表現する感覚が伝わってくる。カラオケで歌う場合は、この部分で実際に手を頭の上に上げて踊ると、曲の雰囲気が出る。
リズムに乗りながら口ずさめるので、ライブで一緒に歌いたくなる。繰り返しが多いので、初めて聞く人でもすぐに覚えられるフレーズだ。
そして、"Love is just a history that they may prove" から "forgive" へと続く一節。
And when you're gone, I'll tell them my religion's you
「あなたがいなくなったとき、私の宗教はあなただと伝える」——このフレーズが、曲の核心を突いている。許しと、それでも踊り続けるという矛盾が、この曲の魅力を作っている。
英語学習者にとっても、"When you're gone" や "I'll tell them" といった未来形の表現を覚えるのに役立つフレーズだ。
Music Video MVの見どころ
「Bloody Mary」には2011年のリリース時に公式ミュージックビデオは制作されなかったが、2022年にこの曲が再び注目を浴びるきっかけとなったのが、Netflix『Wednesday(ウェンズデー)』のダンスシーンだ。
参考:TikTokでバズったWednesdayのダンスシーン × Bloody Mary
Netflix『Wednesday(ウェンズデー)』のダンスシーン(シーズン1・第4話、約33:30〜)で踊っている映像がTikTokで拡散され、その映像に「Bloody Mary」(主に早回しver)を乗せた投稿が増えた。「最初からこの曲で踊ってた?」レベルでハマって見えて、一気にトレンド化。
本編で実際に流れている曲は「Goo Goo Muck(The Cramps)」で、Bloody Maryは"後からTikTokで合成されて定着した音源"という立ち位置。
なぜこんなに噛み合って見えたのか? それは、同じ"身体言語"だから。関節がカクカクする(ゾンビ/マリオネットっぽい)動き、大きく跳ねない内側に沈む動き、表情を作りすぎない(無表情〜冷たい感じ)、リズムを刻むより「間」と「空気」で魅せる——そんな要素が重なった。
「Bloody Mary」は呪文のように反復するビートで"間"を作れる曲。Wednesdayのダンスも、雰囲気主導で動きが切り替わるタイプ。だから後乗せでもズレずに"噛み合って見える"現象が起きた。
そして興味深いのは、ガガ自身も過去のライブやパフォーマンスで、同じような振り付け——カクカクした動き、マリオネットのような身体表現——を「Bloody Mary」で披露していたこと。これは偶然なのか、それともガガが最初からこの曲に込めていた身体言語が、Wednesdayのダンスと共鳴したのか。
Lady Gaga本人も、この流れを受けてTikTokで反応している。"Bloody Mary × Wednesday"は、本編の公式コラボではなく、TikTokの編集文化が生んだ噛み合わせバズとして広まった。
TikTokバズを経て、再び光を浴びた曲
この曲を初めて聞いたのは2011年だった人も多いだろう。当時はアルバム曲の一つとして、ファンの間で愛されていた。
でも、2022年のTikTokバズを経て、この曲は全く違う形で再び世界中に広まった。11年の時を経て、新しい世代がこの曲に出会い、新しい解釈が生まれた。
音楽は時代を超えて、新しい形で蘇ることがある。ガガが2011年に込めたマグダラのマリアの物語が、2022年のWednesdayというキャラクターと結びついたとき、それは偶然ではなく、何か必然的なものを感じさせる。
孤独で、強くて、誰にも媚びない——そんな女性像が、時代を超えて共鳴している。
そして今、この曲はライブのオープニングセットリストで公開されるようになった。TikTokでのバズを経て、再び光を浴びた「Bloody Mary」は、ガガのライブでも重要な位置を占めている。
時代が変わっても、強くて孤独な女性の物語は、いつも誰かの心に響き続ける。それがこの曲の良さだ。